Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
鈴木 元衛
no journal, ,
RANNSコードは軽水炉燃料の事故時ふるまいを解析する目的で開発された。適用した実験ケースと結果の主要な特徴によって解析の進捗を示す。次にモデル開発の現段階を図示し、その中に今回の主たるテーマである破損条件評価の試みを、ミクロな破損クライテリアを導入して破損予測を行う前の段階の、近似的方法として位置づける。その破損条件の評価では、NSRR実験のOI-11(PWR燃料)の被覆管の外周部に生じた初期クラックにおける応力拡大係数KI値を評価した。計算では、平面歪みでのKIの時間変化を、被覆管の形状,計算された温度と応力によって計算し、実験で観測された破損時刻における「見かけのKIC」を求めた。このKIC値を別のPWR破損燃料ケースでの解析と比較検討した。その結果、初期クラック長を水素化物のリム層厚みに仮定すると、解析は実際の破損をよく表現することがわかった。またBWR被覆管への適用では、水素化物サイズが大きくて初期クラック長を大きく仮定すべきことが示唆された。これらの結果に基づいて、次の展開を検討した。
太田 彰
no journal, ,
被覆管の応力-歪みモデルは異常な過渡変化及び事故時の燃料挙動を解析するために必須のものであり、高燃焼度燃料のRIA時評価ではことに重要である。近年、ペレット最高燃焼度が60GWd/tに達する燃料の材料特性試験が実施されており、それらのデータを用いて取得データの燃焼度範囲並びにさらに高燃焼度まで適用が可能な新たな評価モデルについて検討した。塑性変形を記述する強度係数K及び歪み硬化指数nを決定するために最小2乗法によるフィッティングを行うが、この時、弾性変形と塑性変形の領域の間に中間領域の存在を仮定した。フィッティングより以下の結果が得られた;n値に対する照射の影響は、試験データの燃焼度範囲26GWd/tから58GWd/tにおいて有意でない。また、K値に対する照射の影響は、燃焼度20GWd/t以上では有意でない。
永瀬 文久
no journal, ,
原子力機構においては、高燃焼度燃料のLOCA時挙動を解明するための実験的研究を行っている。本報告においては、最近実施した燃焼度約79GWd/tのPWR燃料から採取した照射済み被覆管に対するクエンチ試験の結果を発表する。
杉山 智之
no journal, ,
NSRRでは軽水炉燃料の反応度事故(RIA)時挙動に関する研究を行っている。本報告では最近実施した3回のNSRR実験の結果を示す。ZIRLO被覆ウラン燃料に対する実験では、燃焼度が79GWd/tと高く、さらに被覆管酸化膜が約70mと厚かったにもかかわらず、燃料が破損に至った時点での燃料エンタルピは約230J/gであり、燃焼度50GWd/tで40m程度の酸化膜を持つ燃料に対して得られた250J/gをわずかに下回る程度だった。この結果は、耐食性が向上した被覆管では破損しきい値に対する安全余裕が増大することを示すと同時に、腐食の進行に伴って破損時燃料エンタルピが低下する割合が徐々に小さくなる傾向を示唆している。
宇田川 豊
no journal, ,
RANNSコードを用いて、共通の仕様及びベース照射履歴を持つ一連の高燃焼度BWR燃料について、NSRRのパルス照射下におけるPCMIふるまいを解析した。解析対象は、88ステップIIのBWR燃料をパルス照射した、FKシリーズの6, 7, 8, 9, 10, 12である。ベース照射終了時の平均ペレット燃焼度は約61GWd/tUであった。解析の結果、比較的広い幅を持つパルスで照射されたFK-8では、パルス出力が有意なレベルを保つ極めて短い時間区間においても、ペレットからの除熱が有意なものであることがわかった。このため、同じ発熱量について比較すると、パルス幅が大きい照射ほど、ペレット熱膨張は小さい傾向がある。また計算により得られた応力及びひずみ履歴と、測定された破損時刻を用いて、燃料破損時における被覆管外周部の応力及びひずみを評価した。非破損であったFK-8における応力,ひずみの分布範囲と、他の破損ケースにおける破損応力,ひずみの分布範囲とは、明確に異なり、BWR燃料のPCMI破損における被覆管外周部の重要性を裏付けた。破損応力,ひずみは、FKシリーズの一連の燃料に対して、互いに近い値をとっており、同シリーズの燃料のマクロな力学的破損特性を反映していると考えられる。また破損応力,ひずみのばらつきは、ペレットや被覆管内のミクロ組織が内包するクラック,水素化物等の不規則性を反映していると考えられる。
濱西 栄蔵*
no journal, ,
原子力機構は、リング引張試験の結果から真応力-真歪みを算出するための解析的手法を導入する。本手法は、FEM解析を逐次的に行い、実験結果による荷重変位曲線を再現するものである。本解析で得られた真応力-真歪み曲線を代表する歪み硬化指数及び強度係数が、文献データと一致したことから、本評価手法の妥当性を確認した。
更田 豊志
no journal, ,
日本原子力研究開発機構安全研究センターが実施している燃料安全研究について、その概略を紹介するとともに、反応度事故及び冷却材喪失事故時燃料挙動における基本事項や現行安全基準の裕度などについて論じる。反応度事故燃料挙動に関しては、PCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)破損,高温破裂,部分溶融/脆性破損から成る主要な燃料破損モードについて説明し、我が国の現行安全基準並びに米国規制当局の基準案を例にとってより高度な規制のあり方について論じるとともに、高燃焼度燃料を対象としたNSRR実験の最新の成果について概略を紹介する。また、冷却材喪失事故時の燃料挙動において重要な事項を説明するとともに、我が国の安全基準策定のベースとなっている急冷破断実験について紹介する。さらに、日本原子力研究開発機構が原子力安全・保安院から受託している事業について、現行計画及び次期計画案の内容を紹介する。